スタッフ

音響、まずはここから。

音響さんのお仕事と言えば。

①台本を読んで、音(音楽と効果音)をどこに入れるかを考える。
②どこにどんな音を入れるか選曲する。
③稽古の中で選曲した音をかけていき、音を確定させる。
④リハーサル時に音のレベル(音量)を確定する。
⑤本番当日!ここまでで確認してきた通りに操作(オペレーション)する。

それぞれの段階で演出さんと打ち合わせや確認をしながら進めていくことになります。

今回は「まずはここから。」ということで、①の「どこに音を入れるか」について説明します。

とりあえず基本のキで言うと、

「オープニング」「エンディング」「暗転中(シーンブリッジ)」には必ず曲を入れてください。

あえて演出的に狙いがある場合以外は、観客をスムーズに舞台に誘導するためにオープニングで緞帳が開く時には曲先行がオススメです。
曲もなく、明りもない状態で幕だけが開くとなると、その時間はお客さんは単純に「待ち」になってしまいます。
これはエンディングでも同様で、せっかく感動的にストーリーが終わったのに、幕が下りるときに曲がないと、尻切れトンボな印象が残ってしまいます。

暗転中も考え方は同じで、暗転でセットを変えたりする際にはできるだけ曲をかけてお客さんを「待ち」にしないようにします。
この時には前のシーンのイメージを残した曲にするか、次のシーンを予感させる曲にするかが考えどころです。

音楽はセリフや場面を盛り上げるだけでなく、お客さんを60分の間、現実世界に戻さないことを目標にしてください。

井口の場合、逆にセリフのBGMとしてはあまり曲を使用しないようにしていました。それは、音楽に頼ってセリフが流れてしまう危険性があるからです。

むしろ、稽古段階ではできるだけ音楽を入れて役者をノせて、セリフの質が上がってきたら曲を外すということをしています。「だいぶセリフよくなってきたから曲やめようか」って感じで役者のプライドをくすぐるわけです。これは演出的ですけどね。

さあ、まずは「オープニング」「エンディング」「シーンブリッジ」に曲をかけて、脱!へっぽこ演劇部!